啓蒙・教育
「外国人は漆のことは分かっていないので、いい加減なこともまかり通る」という
うがった考え方もあるわけですが、
本当は日本人よりよほど見識が深くその証拠に、ロンドンのササビースやクリスティーズの鑑定の方が、信用も権威もあります。何よりコレクター自身が自分の目で見て気に入ったものを購入します。
日本においては、漆芸家たちが権威、肩書き主義で日展や伝統工芸展に出品して箔を付け知名度を上げることに熱心で、作品の内容いかんにかかわらず、肩書きにより売買価格が決められてしまっていましたが、
幸い近年、徐々にその傾向は変化してきているように思います。
まだまだ優秀な技術は残っているのに、木地師(轆轤などで木を成形する) 、下地、塗り師(漆を塗る)
呂色師(漆を研ぎ磨く)、蒔絵師(加飾)などと細分化され、熟練の職人でも自分の専門分野しか出来ないのが現状です。
これでは漆に興味を持ってこれから学ぼうとする若者が、努力して、せっかく技術を手に入れても
将来への不安が拭えません。
私は今後、手がけていける数にも限界を感じ一点でも多く日本漆芸品を守り後世に残すために修復にも励むとともに
自分でも作品を作り、「これまでに私が50年、漆に携わり、培ってきたノウハウを伝えたい。」
漆芸家を志す若者には、「作品作りのために、生地、塗り、蒔絵すべてを一人で出来るようなって欲しい。」
漆の技術に加え、「デッサン力、構成力、語学力も身に付けてほしい。」と願っております。
「日本の伝統文化である漆芸を守り育てる。」理念の、基、将来世界に羽ばたける人材を育てるために、
一貫したトレーニングのできる小さな学校を創るべく只今、奔走中です。
研修
漆に関する技術的なことなどをもっと詳細にお知りになりたい場合は、ご要望に応じて別途、講演、講習等も承りますので
ご遠慮なくお問い合わせください。。
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